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2014年2月19日水曜日

はりどめの薬、ウテメリン(リトドリン)の作用と副作用と使用感想

(本文は下に続きます。)

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さて、今回は私も処方されたウテメリンの話。
ウテメリンというのは商品名でして、正式な名称はリトドリン塩酸塩、もしくは塩酸リトドリンと言います。
商品名はいろいろありまして、ウテメック、ウテメナール、ウテロン、ウルペティック、リトドリン塩酸塩錠、リトドリン錠……など。どれも基本的な成分はリトドリン塩酸塩ということになります。
ちなみに、錠剤の飲み薬だけではなく、点滴もあります。切迫早産などで入院すると、はり止めの薬として持続的に点滴されたりすることになります。

ウテメリン(塩酸リトドリン)はどうやって作用するか

さて、この薬、どういったところに働きかけているかというと、一言で言うと「自律神経」の中の「交感神経」の刺激を伝える薬です。
臓器の表面には、この交感神経の刺激を受け取る「受容体」という部分がありまして、ここを刺激したり遮断したりすることで、交感神経の働きをコントロールすることができます。
今回刺激したいのは、子宮の平滑筋。この平滑筋の弛緩に関与している受容体は「β2受容体」と呼ばれる部分になります。
ですので、これを刺激する「β2刺激薬(もしくは単純にβ刺激薬)」と呼ばれるものの一種である、塩酸リトドリンを投与することで、子宮の平滑筋を弛緩させ、子宮の収縮を抑制する、つまり「お腹のはり止め」としての薬効を期待する、というのがウテメリンの正体です。

ウテメリン(塩酸リトドリン)の副作用

ただし、完全にβ2受容体だけに働きかけることはできず、若干のβ1受容体の刺激も行ってしまう事、また、β2受容体は子宮の平滑筋のみならず、他の平滑筋などにも存在している事、糖の代謝などにも関わっていることなどから、それも一緒に作動させてしまうことで副作用が当然生じます。
主なものは、動悸、手指振せん(手や指のふるえ)、吐き気。これらはほんの数パーセントの人に見られます。他にも、ほてりや汗の増加などを感じる方もいるでしょう。その他の細々とした副作用は割愛、あまりにも体調の変化があるようであれば、先生に相談しましょう。
また、持病を悪化させる可能性があるので、例えば心臓病がある人や甲状腺機能亢進症がある人、糖尿病の人には基本的に使いません。
そして一番気になるのは、お腹の中の赤ちゃんに対する作用、ということになるでしょうか。
まず、あまりはっきりしたデータがないことから、催奇形性の危険のある16週以前には基本的には投与しません。しかし、(実際には使用経験が多い薬剤であるため)催奇形の心配はほぼないと言われており、場合によって、医師の判断で妊娠時期に関係なく処方することがあります。
それ以降に投与した場合、お母さんの血中から胎児へ移行しますから、お母さんと同様に動悸(つまり頻脈や不整脈)が起こる可能性はあります。

先に強調したいのは、副作用のない薬などは存在しないということです。
なので、副作用に怯えて、一番必要である「お腹のはりを止める」という作用を拒否するのはもったいない、ということ。
医者が薬を処方するのは、その利益(ベネフィット)が不利益(リスク)を大きく上回る場合なのです。
ですので、今このウテメリン(塩酸リトドリン)を処方されたお母さんの体は、この薬を必要とする状態であるのだ、と思います。ですので、副作用も含めてうまくお薬とつきあってもらいたいと思います。
ですが、あまりに副作用の症状が強い場合(多くは飲み慣れるうちに軽くなるようですが)は、そのリスクの方がベネフィットを上回る可能性がありますので、「飲み続けるのは無理!」と思う症状が出たり、体調を著しく崩した場合には主治医の先生と相談して他のお薬への変更や、中止などを一緒に考えてみてくださいね。



さて、というわけで、先日のブログでも書きましたが、どうにも夜中になってもお腹のはりが周期的に続くものですから、とりあえず一錠内服することにしました。
で、飲んで大事なことは、なんのために飲んだかってことです。
そう、はりをおさめるためです。
そのためにはなにより休むことです!
というわけで横になって過ごしました。

……うん、動悸は少々。でも、元々動悸がちといいましょうか、頻脈気味(80/分を切る事はほぼなく、大体いつも100/分程度)かつ、不整脈持ちの人間ですので、あまり気になるほどではなかったです。
手の震えというか、なんとなく肩から先ががくがくするような感じはありましたが、まあ横になってれば気にならないかな。
若干興奮したような妙な感覚、ほてりの一歩手前のような感じと、そのせいの気分不良はありましたが、まあ我慢できないほどではない。
一番近いのは、濃いコーヒーを飲み過ぎた時の感じに似ていますね。カフェイン中毒のような……実際、カフェインには交感神経を刺激する作用があるので、まさに同じ感じじに思えたのかな?
といった感じで、私の場合、副作用は飲み慣れたらあまりに気にならないのかもしれません。
ま、あまり気分のよい感じではないですが……(苦笑)

で、一番重要なお腹のはりは、大分治まりました。
でも、今日も少し動くとはりますので、しばらく無理せず過ごすしかないかな、という感じ。痛むほどではないですし、茶色のおりもの(出血)も増える様子がないので、様子は見れそうです。
まあ、これ以上子宮頸管の熟化や短縮・開大が起こるようであれば、頓服ではなく、一日三回しっかり飲まないといけないかもしれませんが……
まだ出産には早いので、うまくウテメリンを使いながら乗り切ろうと思います。


追記:その後、頓服から毎日定期的に内服するようになりましたが、無事に臨月に到達し、出産となったことを追記しておきます。このあたりのごたごたは、他の記事に書いていますので、興味のある方はどうぞ。