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2013年3月4日月曜日

私の橋本病のコントロール(妊娠→流産後も含め)

以前に、私自身の患っている橋本病についてのエントリーを掲載したのですが、結構検索でこちらにいらしている方が多いようです。改めて、どういう経緯で病気が発覚して、そこから妊娠、流産した時の経過を書いてみようと思います(文章にすると随分長くなったので、興味のある方だけどうぞ)。


私は昔から甲状腺(喉の前側にある、ハートのような形をした臓器です)が若干大きく、高校生くらいから定期的(といっても数年に一度くらいです)に検査をしていたのですが、異常なく経過していました。
特に、甲状腺機能が低下していると鬱病に似た症状を呈することがあるので、私が鬱病になった26歳の時に、直に改めて検査をしましたがこの時も正常。その後、確か30歳になる前にも検査しましたが正常。

31歳で結婚し、32歳になる少し前くらいから妊娠希望でしたが妊娠せず。不妊症の定義にかかるほどではなかったのですが、何度か基礎体温でタイミングをとってもできない。
年齢も年齢だし、あまり妊娠できないようなら不妊症も考えて早めに婦人科受診せねばな……
そう思っていた頃、ふと鏡をみると、どうも前より甲状腺が大きくなっているような気がする。元々大きかったけど、これは前より大きい……?

というわけで、念のためと思い、検査をしてもらいました(簡単な血中のホルモンの値を見るだけの検査です)。
すると、がっつりと甲状腺機能低下症のデータになっていました。数値だけ見ると、おそらく橋本病で、すでに治療が必要な段階でした。

甲状腺が大きくなるというと、多くの方はバセドウ病という甲状腺機能亢進症を思い浮かべるかもしれませんが、橋本病も大きくなるんです。
橋本病というのは、自分の甲状腺に対する自己抗体というものができてしまい、それによって甲状腺が攻撃され、甲状腺がへたって甲状腺ホルモンが作りにくくなってしまう病気です。
甲状腺ホルモンが低くなると、脳から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)というホルモンが甲状腺に「もっとホルモンだせよ!」とどんどん量を増やして甲状腺を刺激します。刺激されても、へとへとの甲状腺は当然ホルモンなんて増やせません。すると、TSHは更に増えて刺激をします。この刺激がどんどん加わる事で、甲状腺自体が徐々に大きくなるのです。
大きくなり方は人それぞれで、あまり大きくならない方もいれば、私のように大きくなって気づくくらいまでサイズアップすることも。

甲状腺機能低下症であることがわかり、まずしたことは、避妊再開でした。とほほ。こんなことなら、マリッジチェックがてら結婚の時に検査をやっとくんだったよ、と思ったは正直な感想です。まあ、普通甲状腺機能まで調べることはないかもしれませんが……
それから改めて内分泌専門のドクターを受診し、自己抗体などの検査や、甲状腺エコーでチェックをしてもらいました。そこで、橋本病の正確な診断が下り、治療を開始しました(詳しい検査結果が出る前に、前倒しで治療を開始しています)。

橋本病の治療は至ってシンプルで、足りない甲状腺ホルモンを補うため、合成された甲状腺ホルモンであるチラーヂンSという薬を飲むだけです。が、足りないからと一気に大量に飲むと体に負担をかけます。特に、心臓が弱るほどに甲状腺ホルモンが足りない状態になっていた場合、かえって心臓へ無理をさせてしまうことになります。従って、少量から開始して、徐々に増やしていくのが原則です。
私の場合、「できるだけ早めに妊娠希望です」と最初にはっきりドクターに言いました。甲状腺を診るドクターは、基本的に患者さんに女性が多いので、妊娠の事には随分配慮します。が、どのくらい妊娠を希望しているか等々は患者さんによって違うので、前もって質問されたりすることも。なので、ぜひ恥ずかしがらずにはっきり言いましょう(まあ、私の場合、直属の先輩先生だったので、若干の照れはありましたが……)。
というわけで、私の希望(妊娠早くしたいから、早くコントロールいい状態に持っていきたい)と、全身状態も鑑みた結果、比較的多めの25μgからスタート。2週間おきに経過をみながら、更に50→75μgと増量しました。

元々鬱病だったこともあり、甲状腺機能が低下しているような症状は感じていなかった(鬱病が治ってないと思っていた)のですが、治療をはじめてみると、体が随分楽になるのを感じました。
特に朝の寝起き! 起きるのが辛くて、布団から引きはがすようにして起き上がって仕事に行っていたのですが、さっくりと起きれるようになりました。
日中の眠気も酷かったのですが、これもかなり解消。中途半端な時間に昼寝などをしないと辛かったのですが、寝なくても夜まで起きていられるように。おかげで、不眠の症状(昼寝のせいで夜眠れない)があったのですが、昼寝がいらない→夜もしっかり眠れる、の好循環となりました。

妊娠できる値に落ち着いたのが、治療開始から約4ヶ月くらいたった頃でした。ここで妊娠のGOサインをいただいたので、やっと避妊を中止。
中止してすぐに妊娠しました。確か、1周期目に妊娠しています。その後の詳しい経過については、前に書いた「妊娠と橋本病」の項を読んでいただけたらと思います。簡単に書くと、75→100μgに増量し、そこでTSHが妊娠初期によい値で落ち着きました。

その後流産しましたので、報告がてら受診。妊娠希望は相変わらずでしたので、TSHは低めに管理しようということになり、妊娠前の75μgより少し多めに調節することに。100μgでは若干多かったので、75μgと100μgの隔日投与(毎日交互に飲むこと)をすることになりました。これで、TSHは低く、かつ甲状腺ホルモン過剰状態にならずに落ち着きました。

以上が私の病歴になります。詳しめに書いたので長くなりました。
妊娠がわかったら自己判断せず、お医者さんと相談しながら増量してくださいね。
ちなみに、大きくなった甲状腺ですが、治療を開始して徐々に小さくなり、今は昔の大きめだった頃よりもサイズダウンしました。ほとんど目立たないレベルです。
甲状腺が大きくなることで、喉の圧迫症状などが出て生活に支障が出る場合は、治療が必要なホルモンの値でなくても治療を開始することがあります。橋本病と診断されたけれど、まだ治療はいらないと言われたけれど、どうにも喉が苦しい、声が嗄れる、などなどでお困りの方は、今一度内分泌の先生に相談してみてはいかがでしょうか。 

33歳女医、やっと子どもができた頃